皆さんは、キャップトゥオックスフォードやプレーントゥダービーという革靴の名称を聞いたことがありますか?
オックスフォードとダービー
靴好きの方は1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
オックスフォードは内羽根のシューズで、ダービーは外羽根のシューズを言います。
では、なぜそのように呼ばれるようになったのかご存知の方はいらっしゃいますか?
考えたこともない!そんな答えが返ってきそうですが、今日のコラムをお読みいただくとなぜこのような呼ばれ方をしているのかが分かると思います。興味のある方はぜひ最後までお付き合いください。
♦ オックスフォードの由来の謎を紐解く!
オックスフォードとは、イギリスの地名の1つです。
オックスフォードと聞いて1番はじめに思い浮かぶのは、オックスフォード大学ではないでしょうか?
オックスフォード大学は、ケンブリッジ大学とならぶ教育の先駆者としての一翼を担ってきたイギリスの超名門校です。日本でいう東京大学と京都大学といったところでしょうか。
まさに、オックスフォードシューズの由来はこのオックスフォード大学にあります!
オックスフォードは知識都市で、多くの学生や政治家・貴族などの支配階級と呼ばれていた人々が住んでいた地域でした。
このような人々は、1度革靴を履いて外に出てしまえば革靴を脱ぐことはありませんでした。
そのため、内羽根すなわちオックスフォードは羽根が甲部分と一体型になっており、脱ぎ履きがしにくい構造なのです。
貴族などの支配階級の人々が履いていた革靴のデザインがオックスフォードシューズだったということですね。
このように歴史を紐解きながら、革靴に触れてみると、なぜオックスフォードがフォーマルシーンで使用されることが多いのか?スーツやジャケパンと言われるジャケットスタイルに合わせるとスタイリッシュに決まるのか?なんとなく分かってきますよね。
革靴、ファッションを学ぶことは歴史を学ぶことと同じです。今日まで革靴という文化が残り続けているのは、必要とされていたというのはもちろんですが、その伝統や文化から何かしら学ぶもの・得るものがあるからではないのでしょうか。
♦ ダービーの由来の謎を紐解く!
ダービーも、オックスフォードと同じくイギリスの地域名なんです。イギリス ダービー州の行政中心地となっている工業都市です。
イギリス、工業都市と聞くと思い浮かぶキーワードがありますよね!
そうです。イギリスの産業革命です。
1760年代に始まったとされるイギリスの産業革命は、蒸気機関を原動力とする機械製工場が誕生し、工業生産力を急激に向上させました。イギリス国内で初めて産業革命が起きた都市がダービーだったのです。
産業革命下における労働者の仕事の多くは衣服が汚れやすい仕事でした。そのため、衣服や靴の脱ぎ履きが多かったのです。貴族とはまるで違った生活様式だったのですね。
そのことから、羽根が全開になり脱ぎ履きがしやすい靴を労働者は工場から支給されていました。工業都市ダービーの労働者たちが履いていた革靴=ダービーシューズというわけです。
革靴のデザインは、貴族・労働者それぞれの生活様式に応じて機能的に変化したものだったのですね。デザイン1つとってもそれぞれに意味があるというのは非常に興味深いもの。ますます革靴の沼にハマっていってしまいそうです(笑)
♦ おまけ
バルモラル、ブラッチャーという単語を聞いたことはありますか?
実はこれも内羽根と外羽根を指す言葉の1つなんです。
ちなみに
バルモラル=内羽根
ブラッチャー=外羽根
をそれぞれ指します。
これも歴史を遡っていくと、なぜそのような名称になったのかが分かってきます。
長い歴史を持つ革靴のルーツは歴史を紐解くことで判明していくということですね。
(上の写真に写っている人物がヒントです。)
革靴を履くばかりではなく、たまには革靴を学んでみるというのも良いかもしれませんね!
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